読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

URCFワークショップ

takemura-toyoko2010-03-25

小金井にある独立行政法人 情報通信研究機構で3月11日に行われた『超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム』のワークショップにパネリストとして参加しました。

今回のテーマは立体視などの『超臨場感』技術の「医療・教育応用」ということで、福島県立医科大学心臓欠陥外科教授の横山斉先生の公演のあと、女子美大生チームと私を含めた武蔵野美術大学卒業生二人の発表という内容でした。


私の発表内容はこんな感じです↓
技術的なことは一切考えず、あったらいいなこんなものという感じで超臨場感技術を応用した何点かの案を考えてみました。
ラフなイラストを出しながら、10分ほどの発表でした。

1.「NHK教育テレビ『みんなでおにごっこ』(仮)」

ある小学校を舞台として、離れた地方の小学生とヴァーチャルリアリティで鬼ごっこをします。
舞台になっている小学校の生徒は実際にその場で鬼ごっこをしていますが、招待されている小学生は立体映像を見ながら(感じながら)鬼ごっこをすることになります。
足元の条件も同じようになるように、舞台が雪国のときは他の地方の小学生も足元がすべるように感じられたり、海辺の小学校が舞台のときは砂浜で足を取られるような感覚を感じたりします。
離れた地方、または国の小学生同士が交流することで、学校や地方という狭い枠にとらわれない考え方をもてるようになり、世界が広がるのではないかと思います。
タッチされる感覚などもリアルに感じられ、小学生同士は個人的に会話もできるようになっていて、新しい友達が遊びを通じてできることになります。


2.「ドラえもんと一緒にドラえもんを観る」

番組の間だけ立体映像のドラえもんと一緒にすごせます。
会話もできるようになっていて、ドラえもんをより身近に感じながらどらえもんの世界を楽しむことができます。
ex。ドラ「まったく、のびたくんはしょうがないなあ」
視聴者「どらえもん、このあとどうなるの?」
ドラ「それは、観てからのお楽しみ」

ペット番組のキャラクターや、萌系のアニメのキャラクターなどでもできるようにしてもいいかもしれません。


3.「時報などのお知らせの代わりに街にかかる虹」

12時などになると、時報の代わりに街に虹がかかります。
それを観ることで街の人たちは時間を知ることができ、街全体が詩的な雰囲気になり、町の人々の一体感も高まると思います。
虹は一つの例ですが、桜の季節は桜の花びら、雪の季節は雪の結晶、夜だったら大きい流れ星が降り注ぐことで時間を伝えたり、googleやyahooのトップ画面が少しずつ変わるように、日にちや季節ごとに少しずつ変化していったら素敵だと思います。


4.「矢印が出るナビタイム」

私はフリーランスイラストレーターをしているので、売り込みや打ち合わせなどでいったことの無い会社などを訪ねる機会が多く、NAVITIMEなどの携帯ナビゲーションをよく利用します。
非常に便利なのですが、地図上の自分の現在位置がわからなくなってしまったときなど、道に迷ってしまうこともあります。
そんなときにはこの図のように矢印が出て、実際の景色の中に進行方向を示してくれたらとてもわかりやすくていいなと思い、この図を描きました。

5.「立体映像で地図などを見れる床」

学校の床が全部スクリーンになって、上空から眺めるように地形や気象を学んだり、けんけんぱしながら算数を学べたりします。
歴史の授業なども臨場感を持って感じられることで楽しく学べます。


私の提案は、技術を使って感受性を高めていけたらいいなという提案になっていると思います。
どんなに伝える技術が進歩しても、受け取るほうの感受性がなければ何も受け取れません。
また、送り手の方にも豊かな感性、それを生み出す経験が無ければ何も伝えられないと思います。

私はフリーランスイラストレーター、絵描きとして活動しているのですが、絵画作品やイラストを制作しながらいつも思うことは、湿度や気温、におい、手触り、味など、視覚のみからでは伝わるはずのない感覚を伝えたいということです。

不思議なことに、自分がかつて感じた感覚を再現するように描くと観る相手にも伝わることが多いようで、言葉では何も伝えていないのに“雨が降った後の景色”ということが伝わっていたりします。

メディアは大きな可能性を秘めていますが、あくまで手段にすぎません。
メディアでさまざまなことを感じるきっかけをつくり、現実世界の体験に結び付けていくことが大切だと思ます。


…といった内容でした。

このような原稿を用意したのですが、発表の時には原稿があることを忘れて結局アドリブで話してしまいました。
言葉はすらすらと出てきたのですが、緊張からか途中で手などに震えがきてしまい、緊張って不思議なものだなあと思いました。


アバター』を皮切りに3D映画がこれから次々に公開され、3Dで見られるテレビもソニーなどから発売されるそうです。
遠い未来だと思っていた立体映像の世界がもうすぐそこに来ているんですね。

普段まったく接することのない最先端を行く技術者や研究者の方々とお話し、『超臨場感』とはなんなのか、という考えたこともないことを考え、とても見識の広がった貴重な機会でした。


ちなみに日本の『標準時』って今はこの独立行政法人 情報通信研究機構で決められているんだそうです。
原子時計というのがあって、それを基準にしているんだそうな。
本の時間の基準が小金井にあるとは、これも意外な発見でした。