たたら製鉄

九十九里浜の砂鉄120kg、炭焼きで作った炭300kgを使って、東京工業大学の永田 和宏先生ご指導のもと、武蔵野美術大学の金工工房で『たたら製鉄』をしました。
たたら製鉄と聞くと宮崎駿監督の『もののけ姫』でたたら場が出てきたのを思い出される方も多いのではないでしょうか。
私たちの身近にある鉄の多くはコークスを使って製鉄所で作られているものです。気温などに関わりなく安定した質のものが得られるので第二次大戦後からは近代製鉄が当たり前になりました。
しかし日本刀に使われる玉鋼(たまはがね)といわれる純度の高い鉄はたたら製鉄でしか作れないため、今でも日本美術刀剣保存協会では島根県にたたら場を持ち、少量ですが玉鋼を生産しているそうです。


ブロックで作った炉の中に砂鉄と炭を入れ、クルー前田次郎が作った足踏み式ふいごで風を送り、炉の中の温度を上げていきます。

右左に二人ずつ、四人がふいごの上に乗り、真ん中につるした綱を手がかりにしながら交互に体重をかけふいごを動かします。
10分やればへとへとになってしまうので、ふいごは動かしたまま一人ずつ交代していきしばらく休んでまた交代して…ということを繰りかえしました。
何十人もの人が入れ替わり立ち代りふいごを踏みましたが、それでもすぐ疲れてしまうので人手が足りないというかんじで、よく昔の人はこれを一日中できたものだと本当に感心しました。
「わっしょい!わっしょい!」と声を掛け合いながらずっと踏み続けましたが、これは本当に労働歌が必要な作業だと思いました。

交代で仮眠を取りながら丸一日ほど作業を続けました。


たたら製鉄について詳しく知りたい方は日立製鉄のHPなどにわかりやすく解説されています。
http://www.film.hitachi.jp/movie/movie739.html