フランス田園伝説集 (岩波文庫)
フランス田園伝説集 (岩波文庫)

作者: 篠田知和基,ジョルジュサンド
出版社: 岩波書店

『魔の沼』 『愛の妖精』 などの田園小説で知られるジョルジュサンドがフランス中部ベリー地方の農村に伝わる口碑・伝説を集めて書いた本です。
狼使い、夜の洗濯女など、田園に伝わる伝説(妖怪?)をほぼ採集したままに書いていて、物語というよりは民俗学的記録集のような本です。
日本の妖怪などと通じるところも多くて面白いですね。

読んでいて感じるのはとにかく濃い、深い夜の闇です。
自然に近い環境で生きる中で生まれた自然や不思議な出来事への恐れが、ごういう物語を生んできたのでしょうね。