いないいないばぁ

松谷みよ子さんが亡くなられましたね。
かなりのお年だったとはいえ、残念です。

いないいないばあ (松谷みよ子あかちゃんの本)

いないいないばあ (松谷みよ子あかちゃんの本)

松谷みよ子さんといえばこの本

この本は娘が1番最初に喜んだ本です。
ページをめくると、くまさん、ねこさん、ねずみさんがいないいないばぁ!してくれます。
表紙のくまさんでもわかるように、動物たちのばあっ!と言っている表情がとてもいいんです。
作画の瀬川康男さんは、この絵本の絵を薄い紙に絵の具で描いていたそうです。
動物たちの周りにある不思議なかすれもようは、薄い紙が水を含んでできたシワなんですね。
動物たちの魅力だけでなく、そのシワが産み出すアナログ感が温かみを生んでいて、何度でも手にとりたくなります。

そして何よりも、松谷みよ子さんのリズミカルで無駄なものがない文章。
読んでいると誰にでも書けそうと思ってしまうくらい簡単で短い文章ですが、0歳児向けの絵本というものがほとんどなかった時代に一からこの文章を産み出したと思うとすごい完成度です。

多くの赤ちゃんがそうだと思いますが、娘もいないいないばぁが大好きです。
私の姿が見えなくて泣くときも、いないいない‥ばぁ!と顔を出すとすぐ笑ってくれます。
人間がやるとそう何回もは喜んでくれませんが、この絵本だと何回でも笑ってくれるのは、動物たちと言葉のリズムの魅力に依るものなんでしょうね。