ハンガリー民話について
- 作者: ジュラオルトゥタイ,リンダデーグ,アーグネシュコヴァーチ,Linda D´egh,´Agnes Kov´acs,Gyula Ortutay,徳永康元,石本礼子,岩崎悦子,粂栄美子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1996/01/16
- メディア: 文庫
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今回の個展のテーマになったハンガリー民話。
日本ではほとんど知られていないと思います。
なせハンガリー民話をテーマにしたのかと問われることが多いので書いてみます。
私は子供の頃から日本の民話や昔話が好きで、大学は美術大学でしたが民俗学に力を入れていたので民俗学についても学ぶ機会が多く、次第に各国の民話に興味を持ちました。
一時期いろいろな国の民話を読んでいたのですが、その中でハンガリー民話は、ずば抜けて面白かったのです。
その魅力はひとことでいうと多彩なモチーフと奇想天外なストーリー。
西洋的でもなく、東洋的でもない。
すごく土着的な雰囲気のあるものなど、他では見たことのないモチーフがゴロゴロ出てきます。
ストーリーも人間の欲がはっきりと出ている割にあっけらかんとした感じが面白くて
(岩波文庫のこのハンガリー民話集はオルトゥタイさんという民俗学者的な方が各地の民話のかたりべを訪ねて収集した話をあまり編集しないで収録している感じなので余計そうなのかもしれませんが)
読む人を置いてけぼりにするほどの奇想天外なストーリーも面白く、とてもそそられました。
後から知ったのですがハンガリー人というのはモンゴルあたりで日本人と別れたと言われているらしく、言語体系や名前の性、名の順など共通点が多いのです。
この展示の最中にもいろいろと縁を感じられるようなことが起こり、ますます行ってみたい国になりました。
この岩波のハンガリー民話集は今はもう絶版になってしまったようです。
展示に合わせてBooks and Modernでも中古の状態の良いものをたくさん仕入れてもらったのですが、予想外の売れ行きでほとんどがなくなってしまいました。
私の作品を見て少しでもハンガリー民話に興味を持ってくれる人が増えたのなら嬉しい限りです。
結果的に一ヶ月近く続いたこの個展も、いよいよ明日が最終日です。
明日は12時半頃から19時まで在廊予定です。
竹村東代子作品展 魔術的な午後〜ハンガリー民話の世界
2016年6月18日(土)まで(会期再度延長になりました)
乃木坂Books and Modern
(東京メトロ千代田線乃木坂駅2番出口より徒歩2分)
http://booksandmodern.com
にて開催
西洋と東洋が交錯し優雅な文化が息づく国、ハンガリー。人々の心をとらえるのは、目に見える街の風景、建築、音楽や文学の洗練の奥に潜む摩訶不思議で多彩な表情。
とりわけ民話の世界は文化や文学の様式ではくくれない不条理とユーモアを湛え、魔術的リアリズムで繰り広げられます。
本展ではイラストレーション作家、竹村東代子が、もうひとつの世界「切り絵」でハンガリー民話の世界を表現します。ライフワークの緻密な動植物作品とともに超絶技巧で切り抜かれた民話世界が、見る人を「魔術的な午後」に誘います。
新作切り絵作品約60点を展示販売
作家在廊中は切り絵の実演もあります。