オダマキ
少し時期が過ぎてしまいましたが、オダマキの花のスケッチです。
なんだか不思議な形の花ですよね。
オダマキという名前は、機織りの際につかう糸玉に由来するそうです。
カラムシ、アサ(麻)、コウゾ(楮)の繊維を糸にしたときに丸めておくものをそう呼ぶのでそうですが、今となってはほとんど見ることもないですよね。
今でもメジャーな夏の涼しい衣服の生地と言えば麻です。
綿花の栽培が広まる以前の庶民は冬でも麻やカラムシなどの今でいうと「涼しい」生地の服しか着られなかったのに、冬をどうやって乗り切っていたのかと思います。
綿や絹の生地に綿を詰めた「綿入れ」が少し前の人々にとってどんなに温かいものだったか。
ウールでできた厚手の生地がどんなに頼もしいものだったか。
石油でできた生地にダウンを詰めた衣類が低価格で手に入る世の中になるなんて、ほんの数百年前の人たちは思いもしなかったでしょうね。
オダマキの花を見ながら、カラムシや麻の糸玉が身近だった時代に思いを馳せていました。