『ショパン〜花束の中に隠された大砲』

岩波書店の子供向け新書、岩波ジュニア新書の『ショパン〜花束の中に隠された大砲』という本の表紙と各章の扉絵を描かせていただきました。

ショパン――花束の中に隠された大砲 (岩波ジュニア新書)

ショパン――花束の中に隠された大砲 (岩波ジュニア新書)

作者は崔善愛さんというピアニストの方で、本の内容はショパンの伝記ですが偉人としてのショパンではなく祖国や周りの人への愛に溢れ、苦しみ、生きた一人の人間としてのショパンが描かれています。

『花束の中に隠された大砲』というのはシューマンショパンの音楽を言い表した言葉で、ショパンの優しく美しい音楽の中に込められた祖国ポーランドへの思いを表しています。
ショパンの祖国ポーランドは、その立地からロシアやドイツなど様々な国に占領され、国としての形を保つのが危うい状態にたびたび追い込まれてきました。
そういう国だからこそ、ポーランド民族音楽をアレンジした曲を多く作り、世界にポーランドの存在を常に発信しているようなショパンの音楽はポーランドの人たちの誇りとなっているのだと思います。

私自身はクラシック音楽にはそんなに詳しくありませんでしたが、この本の原稿を読み、ショパンの曲を聴いていたらショパンが大好きになってしまいました。

モーツアルトを題材にした映画『アマデウス』を観てモーツアルトが愛しくなってしまうように、この本を読むとショパンが愛しくなってしまいます。


すでに全国の本屋さんに並んでいるようです。
朝日新聞などにも広告が出ていて(小さ〜くですが)表紙の写真も出ていたのでどきどきしてしまいました。

子供の頃からずっと憧れていた本の仕事なので、嬉しさとともに自分に自分でプレッシャーをかけてしまうような仕事でなかなかしんどかったですが、本が出来上がったときの感動はひとしおです。

内容も表紙も美しい本なので(笑)ぜひ手に取ってみてください。