あかいふうせん

あかいふうせん

あかいふうせん

イエラ・マリの字のない絵本です。

イエラは、1931年ミラノに生まれ、ブレラ国立美術学校で絵画を学びます。そこで出会ったエンツォ・マリと結婚し、1960年代半ばまで生活を共にしました。デザイナーとして仕事をしていた2人は、子育てをしながら新しい絵本のアイディアを練り、1960年、『りんごとちょう』を発表します。その後イエラは、イタリアの子どもの本の歴史に大きな足跡を残したエンメ出版と出会います。代表作『あかいふうせん』『木のうた』を含め、1967年から10数年間に、同社で8冊が刊行されました(うち2冊はエンツォとの共作で、『りんごとちょう』改訂版を含む)。晩年、長い間世間から隠れるように暮らしたイエラは、多くのことを語らないまま、2014年1月、逝去しました。
イエラ・マリ展web site
http://www.itabashiartmuseum.jp/exhibition/ex141122.html より


この絵本は赤い色面と細い黒の線だけで描かれており、全ページがとてもきれいなグラフィックです。

ふうせん(ガム❔)がふくらみ、飛んで行ったと思ったら→りんご→ちょうちょ→花→傘と変化していきます。

大人向けのインテリア絵本的美しさ。
うちにあるものも大人になってから私がもらったもので娘にはまだ早いと思っていましたが、一歳4ヶ月の娘の今一番のお気に入りです。

考えてみれば、字の有り無しは字の読めない幼児には関係ないことなんですよね。
きれいな赤い色ときれいな形、変化していく形に素直に惹かれるのでしょう。

私は「風船とんでったー...と思ったら林檎になっちゃったー...あーあ、割れちゃった...と思ったらちょうちょになったよ」
といった感じで読んでいます。
アレンジは読む人次第。
読んでいる大人もすてきな気分になれる美しい絵本です。